メモと録音した音声を融合させたNotabilityというアプリが便利

頭のなかで考えていることを丸ごと保存したい

ふと思いついたアイデアは、その場でさっとメモを残さないと、次の瞬間には忘れ去られてしまいます。

でも、ほんの一言のメモを残しておけば、それをトリガーとして、その時に考えていたことを記憶の底からすくい上げることが出来ます。

そういえば、こんな記事も書いてましたね。

ただの記憶の保管庫ではない!Evernoteを使って新しいアイデアを産み出す方法

確かに、このような方法で自分の記憶を呼び起こし、それを頼りに、後で文章を組み立てることは出来なくはありません。

でも、その時に考えていたことを丸ごとすくい上げられるかというと、それはムリで、時間が経てば経つほどその情報は劣化し、すくい上げた言葉もちぎれちぎれなものとなります。

頭の中でひとり巡らされる様々な思考、ふと閃いたセンテンスや文章を、考えるだけでテキスト化出来るとしたらどんなに素晴らしいか。

そんな妄想をしながら、それに1番近いのは、ICレコーダーのようなツールに考えていることを言葉で吹き込むことだと思いました。

どんなに、タイビングが早くでも、頭の中で次々に産まれていく思考をそのまま書き留められるほど早くは出来ません。
その点、録音であれば、考えていることをそのまま言葉にだし、それを音声データとして丸ごと保存しておけます。

しかし、この方法には問題点があります。
当たり前のことですが、保存した音声データは目に見えないため、対象のファイルを開いても、その中身をさっと確認することができません。

1分の録音データを確認するには、最低でも1分前後の時間が必要です。記録したデータの中身を確認するのに時間がかかると、そのデータを活用する際の効率が悪くなる。

これは録音時間が長くなればなるほど、また録音データが多くなればなるほど表面化する問題です。

テキストで残し音声で補足する

思考を出来るだけそのままの形で、なおかつ使いやすい形式で残すことが出来ないか?そんなことを考えていたところ、その翌日に良さそうなアプリを見つけました。

NotabilityというiPhoneアプリです。

notability00

作成するノートにテキストメモ、手書きメモ、写真を混在させられるアプリは他にもありますが、このアプリの特筆すべき点は、メモを作成しながらバックグラウンドで録音出来ることです。(この録音機能にはさらにサプライズがあります)

では実際にどの様な使い方になるのか、具体的に紹介したいと思います。

Notabilityの使い方

新しいメモを作成するのは、右上のアイコンから。

notability01

メモに音声を入れるには画面上部のマイクマークをタップしまnotability02

メモの種類は「テキスト」「手書き」「蛍光ペン」が選択できま。notability03

下の画像は手描きで文字を書き込んだところです。
この過程においても、録音はバックグラウンドで行われています。

notability04

文字入力をテキスト形式に変えると、それまで手書き文字で書かれたメモにもかかわらず、任意の場所からテキスト形式のメモを入れることが出来ます。

手書きメモ、テキストメモは任意のタイミング、任意の場所で交換可能で自由なレイアウトのメモが作れます。

notability05

notability06

作成したメモの確認

Notabilityの素晴らしいところは、バックグラウンドで録音した音声を、書き込んだメモの場所をアンカーとして再生出来ることです。

録音した音声を再生するには、マイクのアイコン下の録音時間が表示されている所をタップします。

notability07

タップをすると、録音した音声が頭から再生されますが、書き込んだメモの適当な箇所をタップすると、再生中の音声が、そのメモを書いた時間にジャンプします。

notability08

また、音声が再生されている間、自分が書き込んだメモが、音声の再生に合わせて、薄い字から濃い字に変わっていきます。

notability09

PDFの資料に書き込みながら録音する

例えば会議の議事録作成用にメモを取るとき、ICレコーダーのような音声情報のみだと、会議の全容を俯瞰するのが困難です。

また、自分が聴きたい箇所を再生するにも、ICレコーダーだと、「確かこのへん」と辺りをつけ、再生•早送りをしながら、それが録音されている場所(時間)を探さねばなりません。

その点、Notabilityでメモを取りながら録音しておけば、そのメモ自体が録音された時間を指定するアンカーになるので、ほぼ一発でその場所を特定出来ます。

複数の発言者が議論を重ねながら進行する委員会の議事録をとる際には、発言者が変わるたびに名前と発言の概要をメモしておけば、テープ起こしをするのも捗るでしょう。

また、会議で使う資料を事前に入手している時は、その資料をPDF化してアプリへ読み込んでおき、会議の音声を録音しならが、PDFの資料に直接メモを書き込むことも可能です。
もちろん、書き込んだメモの任意の箇所をタップすれば、その時間に録音された音声を再生出来ます。

なお、下の画像の書き込みはNotabilityのiPad版を使って作成したものです。流石にPDFの資料を読み込んで注釈を付けるにはiPhoneの画面ではムリですからね。

notability10
会議資料に詳細な書き込みをするには、ジョットスクリプトの様なペン先の細いスタイラスでないと難しいかもしれませんが。。。

Adonit Jot Script EvernoteEditionのファーストインプレッション

思考をそのまま保存する

この記事の最初に書いた、思考を出来るだけそのままの形で残すにはどうすればよいか?

何かのアイデアがふと閃いた時や、まとまった考えが生まれた時には、このアプリを立ち上げ、頭のなかで溢れそうになっている言葉を書き連ねていきながら、平行してその考えていることを口に出し、ボイスメモとして保存する。

その部分の録音が終わったら、そのセンテンスをテキスト化するのは一先ず中止して、次のセンテンスを入力しながら録音を続ける。

そうすることで、あとで振り返った時、そのテキストをトリガーとして残りのセンテンスを文章化しつつ、なにを考えていたか記憶が欠落している箇所は録音されたボイスメモを聞きながらその時の記憶をすくいあげる。

現時点ではまだまだ思考実験の域を出ませんが、このような作業を習慣として身に付けられれば、アウトプットの幅を大きく広げることが出来るような気がします。

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電子書籍「あのプロジェクトチームはなぜ、いつも早く帰れるのか?」を発刊させて頂きました。執筆する際、最も力を入れた箇所、想いについてはこちら

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Evernoteのアップデートで競合するノート問題が無くなるか?

昨日のアップデートの内容に気になる項目がありました。

同じノートを異なるデバイスで編集してしまった際に生成される「競合する変更ノート」問題を回避する機能のようです。

ScreenClip

ノートをロックし読み取り専用にする機能のようですが、現時点ではその仕組は良くわかりません。。。

仕組みはどうであれ、この機能は前々から実装して欲しいと思ってました。

それは、自分が使っているデスクトップ版、iOSアプリ、その他データ連携をしている各種アプリケーション間でのコンフリクトを防ぎたいと言うのではなく、他の人と共有しているノートブックでのコンフリクトを防ぐためです。

他のメンバーとノートブックを共有し、一つのノートに加筆を加えながら情報を積み重ねていこうとする際、「もし同じノートを他の人が編集していたらどうしよう?」そんな考えが頭に浮かぶとノートを触るのも躊躇してしまいます。

GoogleDriveの文書・スプレッドシートのようなリアルタイムの同時編集が理想ですが、それでなくてもこのようなノート編集への躊躇いを無くしてくれる仕組みは、Evernoteをベースとした知識の共有に向けた動きを更に加速してくれそうですね。

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