photo credit: Maarten Takens via photopin cc
前回の記事では、電子書籍のコメント(ハイライト)共有機能が、読書体験の仕組みを大きく変える可能性、そしてそれがAmazonの販売戦略にも繋がっている事について考えてみました。
楽天のKoboには感じられないKindleの可能性 – このまま一生β版
今日は電子書籍の可能性について、別の視点、本が電子化されることによって実現する、最も直接的なメリットについて書いてみたいと思います。
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電子書籍のメリットは物理的な場所を占有しないこと。
カバンに重い本を何冊も入れて運べないけど、Kindleなら400gにも満たない端末に何冊も入れて持ち歩ける。
確かにそうなのですが、この書籍の電子が場所を取らない事はもっともっと大きな可能性を秘めています。
■本棚の物理的な制限
容量に制限があるのはカバンだけでなく自宅の本棚も同じです。
私は毎年、年末に棚卸しを行い、要る本、要らない本の仕分けを行っています。
そして、何時か改めて読みたいと思った本は本棚に戻し、もう読む必要はないと判断したものはダンボールに詰められTSUTAYA行きとなります。
中には処分するには後ろ髪を引かれる本もあるのですが、新しく購入した本の場所が確保出来ない状態では、やむを得ません。
これまで、何度この作業を行い、何冊の本が手元を離れていったでしょうか。
中には、今読み返す事で新たな気付きが得られる物もあったかもしれません。
そう考えると、置く場所が無いだけの理由で宝物を捨ててしまったような残念な気持ちになってしまいます。
■クラウドに本棚を作る
その点、電子書籍は購入した本を廃棄する必要がありません。Kindleのようなデータをクラウドに置いておき、必要に応じて端末にダウンロードするようなシステムであれば、手元に置いておける本の容量は無制限です。
これから購入する電子書籍はそのデータベースにコツコツと蓄積され、その数は自分が生きている間、ずっと増え続けるでしょう。
■父の本棚の記憶
本棚は、その人が何に興味をもち、どんな思想を持っていたかを如実に表します。
私が子供の頃、父が遺した本棚を物色し、色鮮やかな図鑑や画集を眺めながら、亡き父の面影を想像していました。
母から聞いた話では、父はかなりの読書家で常に何かの本を手にしていたそうです。
その父の本棚も、数回に渡る引越しの中で少しづつ処分され、今はどんな本が並べられていたのかさえ思い出す事が出来ません。
■本棚を丸ごとプレゼントする
現在、子供は幼稚園にも通ってもない歳ですが、中学生位になったら父が読んだ本がギッシリ詰まったKindle(その頃にはもっと良い日本発のデバイスが出ていますように。。)を渡そうと思います。
進路や人間関係で悩んでいるようであれば、自分が参考になった本を何冊か勧めてあげても良いですね。
もしかしたら、私が引いたハイライトやメモが問題解決のヒントになるかもしれません。
まだまだ夢ような話ですが、本が電子化される事で、次の世代に親の知識と想いを遺す事ができる。
それが電子書籍のもつ可能性の一つだと思うのです。
電子書籍「あのプロジェクトチームはなぜ、いつも早く帰れるのか?」を発刊させて頂きました。執筆する際、最も力を入れた箇所、想いについてはこちら
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