これまではQRコードを使ってEvernoteノートと物とのデータ連携について考えてみました。今回は私が常用しているタスク管理アプリ、Nozbeとのデータ連携で何が出来るか考えてみたいと思います。
Nozbeに限らず、GTDを基本としたタスク管理アプリにはコンテキストという概念が取り入れられています。このコンテキストというのは、無数にあるタスクリストの中から、今出来る事、ここで出来る事を絞り込むためのフィルターと言えます。
単純なものでは「自宅」「会社」など、ざっくりとした場所や「5分で出来る事」「10分で出来る事」など時間によるもの、また「体調が悪い」「ヤル気が起きない」など、自分の気分や体調などによるものが挙げられます。そのフィルターで今この瞬間に実行出来るタスクを絞り込むのですね。
人が生活する中で処理すべきタスクリストは、時間や場所などの条件により数や形が変わるため、明確なリストを用意しておかないと、その度にやるべき事、必要な物を思い出さなければなりません。これを自分の記憶のみで行おうとするのは無理がありますし、抜けの原因にもなります。
ここでQRコードに戻ります。朝会社に出かける時、忘れ物はないかと持ち物チェックをします。とくに問題がなければ財布、定期、携帯電話、鍵など細々したものを集めてカバンやポケットに入れます。通常はそれで問題ないのですが、たまにバタバタしていたり、いつもと違うことが起きると、その忘れ物チェックがすっぽり抜けてしまい思いがけない忘れ物をしてしまいます。
今回その忘れ物防止として考えたのが、NozbeのTodoリストの中に持ち物チェックというリストを作り、そのリストをQRコードに変換する事で、玄関という特定の場所(コンテキスト)のタスクリストを簡単に呼び出す方法です。
実際に作ったリストはこのようなものです。ちなみにこのリストはNozbeの外部公開機能を使っています。
このURLを例のごとくQRコードに変換しシールにします。
そして玄関のドアに張り付けておきます。
このシールをコードリーダーで撮影すれば、タスク管理アプリを立ち上げることなく持ち物リストを確認出来るという流れです。
通常であれば
→タスク管理アプリを立ち上げ
→コンテキストリストを表示
→玄関 のリストを表示
という最低でも3タップが必要です。また、コンテキストの数が増えると、その特定のコンテキストを探すだけで手間取ってしまうでしょう。その手間を省くことで目的のリストにたどり着けることは、QRコードがトリガーとなり、人の外部記憶を直接刺激したようにも感じます。
ここまで書いていてなんですが、このシールを実際にコードリーダーで撮影することはないでしょう。実際に面倒ですし、そんなことをしなくても持ち物リストは簡単に思い出せるからです。大切なのは、玄関という特定の場所で確認すべきリストを思い出すためのトリガーが在れば良いのです。
今回は簡単なリストでしたが、色々な場所や物に関連するコンテキストを予め作っておき、そのコンテキストのQRコードを貼っておけば、いちいちタスク管理アプリを立ち上げなくても、さっと撮影して簡単に今出来ること、ここで出来ること、それで出来ることを呼び出せます。
Remember the Milkではジオタグを使い、予め指定した場所に到着するとタスクリストがポップアップするような機能があります。広域の場所指定にはこのようなジオタグを、そして室内や特定の物に関連付けられたタスクリストはQRコードを使ったタスクリストの呼び出し機能などがあると面白いかもしれませんね。
iPhoneのディスプレイをかざすことで、そこにある目に見えない情報を可視化させる電脳コイルのような世界が着実に近づいているような気がします。
追記:電脳コイル3話まで見ました。最近ずっと妄想していた拡張現実、物と情報の関連付けの世界はまさにこれですね。
電子書籍「あのプロジェクトチームはなぜ、いつも早く帰れるのか?」を発刊させて頂きました。執筆する際、最も力を入れた箇所、想いについてはこちら
Nozbe のFreeアカウントではプロジェクトを5つまで作れます。
Post Footer automatically generated by Add Post Footer Plugin for wordpress.