■基本的な使い方について
今日は先日リリースされたEvernoteHelloの使い方と可能性について書いてみようと思います。
基本的には、イベントの場で名刺交換をする時、このアプリを入れたiPhoneを渡して顔写真を写してもらい、人と名前と顔を同時に保存することで、出会った人の情報を確実に記憶するようサポートするのがこのアプリの目的です。
しかし、、初めて会った方に人に自分iPhoneを渡し「顔を写して貰えますか?」とお願いするのは正直言ってシンドイと思います。
今回は、過去に頂いた名刺を顔写真の変わりに撮影することで、既に会っている人のコンタクトリストをを作ってみようと思います。 準備するのは手元にある名刺の束。今日は予め使用の了解を頂いているR-style倉下さんの名刺を使ってその流れを説明したいと思います。
・先ずは名刺を見ながら、名前、メールアドレス、電話番号、TwitterIDなど基本情報を入力します。
・TwitterのIDを入力します。
次に行うのはサムネイルに表示させる写真の撮影です。
本来ならば、その人にiPhoneを渡して自分の顔をスナップして貰うのですが、今回は過去の名刺の整理なので仕方ないですね。
また顔写真は抵抗があるという方を登録する際には、最初から名刺を使ってもいいでしょう。
・撮影ボタンを押すと、自動的に4枚の写真が保存されます。
これで倉下さんの基本情報が登録されました。
先程撮影した名刺のサムネイルでは、文字を読むことが出来ないので、スナップ写真撮影機能を使い、より詳細な名刺画像を撮影します。
これで、アプリ内に倉下さんにお会いした時の情報が全て登録されました。
今度は別の場所で再会した時の手順です。
もし顔写真の撮影が可能なら、iPhoneを渡してご自身の顔写真を撮影して貰いましょう。
・Add a new photoをタップ。
・その日の場所を記入します。
この様にして、EvernoteHelloは、登録した人のカードに、二度目、三度目に会った際の情報を積み重ねられるようになっています。
これは、Evernote内にコンタクトリストを作るだけでなく、会った場所と回数というコンテキストを積み重ねながら、自分のその人の関係性をデータとして蓄積していくライフログアプリのようですね。
今後のバージョンアップに求めるのは、デスクトップクライアントでの情報編集。それと、自分と相手のプロフィールをBUMPで交換出来るともっと便利になりそうです。
ここまで書いて分かったのですが、EvernoteHelloに名刺の情報を登録すると、その相手にお知らせメールが自動送信されるようです。
便利な機能かもしれませんが、知らない間にメッセージが送られる仕様なので、使い方にちょっと気をつける必要がありますね。TwitterのIDを知られたく無い会社の人を登録したら、自爆するので要注意です。
■Evernoteのソーシャル化を加速させる鍵となるか?
このアプリで作られるコンタクトリストの持つ潜在的な能性は、そのデータがクラウドの上に置かれていることです。
現時点では無い機能ですが、自動送信される自分のプロフィール情報が、クラウド上に置かれている自分のプロフィールデータであれば面白くなるかもしれません。
もし、その様な仕様となれば、自分の携帯アドレスや番号を変更すると、Evernoteのサーバーを介して、全ての人の端末に保存されている情報を自動更新させる事が可能となります。同じようなサービスとしてPlaxoがありますが、Evernote上で実現出来るとなら、ユーザーとしては嬉しい限りです。
更にこのコンタクトリストが持つ可能性について発想を広げてみたいと思います。
私が将来的なEvernoteの使い方として妄想しているのは、Evernoteノートがもっとソーシャル化される事です。 今でも共有ノートの機能は実装されており、他の人と一つのノートブックを共有、編集する事が出来ます。
私も共有ノートを活用した社内の情報共有を試みてはいるのですが、もう少し共有の範囲を広げてみたいと思うのです。
Evernoteの共有ノートブックを使った情報共有の試み
ここで使えそうなのが、このEvernoteHelloで作成したコンタクトリストです。ノートブックの共有には、相手のメールアドレスを入力する必要がありますが、このコンタクトリストから共有依頼のメッセージを送れれば、そのハードルがぐっと下がります。
もし、気軽に共有ノートを作成し、自分のノートブックを不特定多数の人に開放し、その逆として人のノートブックを自分のEvernoteに取り込むことが出来るようになれば、Evernoteの使い方はどの様に変わっていくでしょうか。
同じ趣味、志向をもつ人達の、様々なアイデアが書き込まれてたノートが次々に産まれ、Evernoteの中で積み重なっていく。
もしデスクトップクライアントの右サイドバーにFacebookのようなTLを表示させる機能が付加され、ノートの追加、変更の履歴が表示させられると面白いと思いませんか?
その履歴が流れる様子は、あたかも自分と他人の思考が、Evernoteという仮想の外部脳を通じて混じり合うかのようです。
自分一人では解けない難問も、他の人の視点や経験を通じた思考のフィルターを通す事で、複雑に絡まった糸を解きほぐす一本の筋道を掴む事が出来るような気がするのです。
創造的なアイデアを妨げるもの、産み出すもの
「三人寄れば文殊の知恵」という諺がありますが、その環境さえクラウド上で実現できる。そんな未来がすぐそこまで来ているような気がします。
EvernoteHelloリリースの背後に、開発チームの想像する未来を垣間見るような気がするのです。
電子書籍「あのプロジェクトチームはなぜ、いつも早く帰れるのか?」を発刊させて頂きました。執筆する際、最も力を入れた箇所、想いについてはこちら
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