前回の記事では、クラウドツールを活用することで、業務消化を円滑に行う方法について紹介しました。
外注した仕事の進捗状況をブラックボックスにしないための3つのツール – このまま一生β版
今回は、これらのツールを仕事で使う際に注意している事を書きたいと思います。
■絶対にアップロードしてはダメなもの
記事では協力会社とのファイルの共有にDropboxを使っていると書きましたが、どんなファイル(情報)でもOKという訳ではありません。
個人情報が入っているような資料はNGです。自社の管轄外のサーバーに保存するなど論外ですね。
では、どのようなファイルであればクラウドに保存してOKなのか?その線引は非常に難しいのですが「仮にファイルが流出した際に、特定の個人や組織が著しい損失を被ることの無いもの」程度の認識で運用しています。
■万が一に備える
Dropboxの運用で一番恐ろしいのは、システム不具合や人為的ミスでファイルが無くなってしまうことです。
共有フォルダーであれば、だれか不慣れな人がうっかりファイルを削除してしまうと、その人だけでなく共有メンバー全てのファイルが削除されます。
単体のファイルであれば、復元機能で元に戻すことが可能ですが、複数の階層を持つフォルダーのルートを削除するとその復元も出来ません。
photo credit: Sander van der Wel via photopin cc
また、Dropboxのシステムをどれほど信頼するかにもよりますが、万が一、システムに不具合が生じた際、それが保存しているデータにどのような影響を及ぼすかも予想出来ません。
最悪の場合、データの消失を招く可能性があるツールに全てを依存するのは余りにも危険です。
そのような最悪の事態を避けるため、私は以下の様なバックアップシステムを構築しています。
■ばっちり同期でばっちりバックアップ
使用しているのはばっちり同期というファイルの同期ソフトです。簡単に説明すると、異なる二つのフォルダーのファイルをお互いにコピーし、同期を取る事が出来るものです。
無料でも使えますが、私はスケジューリングの機能が豊富な有料のビジネスライセンスを購入しました。
対策その1:
最初に設定するのは、Dropboxのフォルダーと会社サーバーのフォルダーの同期設定です。
会社のサーバーは、情報システム担当部署が毎晩自動バックアップを取っているので、Dropboxのファイルが消失してもそこから復元可能です。
対策その2:
バッチリ同期のバックアップ機能を使い、上書きや削除されたファイルを自分のデスクトップに3ヶ月間保存しています。
これは、ファイルの更新や削除があった場合、その古いファイルをリアルタイムでバックアップする機能を使ってます。
このオプションを設定しておけば、Dropboxからファイルがフォルダーごと無くなったとしても、その瞬間にそのフォルダーがバックアップされるので安心です。
また、バックアップデータがあれば、ファイルの状態をさかのぼって復元することも出来ます。
Dropboxにもファイルのリビジョン機能が機能がありますが、それにも限界があります。
ここでは、ディスク容量に余裕がある限り、ファイルを保存出来るので安心感は更に増します。
■まとめ
クラウドツールは便利ではありますが、運用方法をひとつ間違えると色々なトラブルに見舞われます。
今回の記事では最悪の事態を起こさないための対策について紹介しましたが、不足の事態に備え念には念を入れた対策が必要なのです。
クラウドに仕事のファイルをアップロードすることの是非については引き続き、検討と議論を続けることにしたいと思います。
電子書籍「あのプロジェクトチームはなぜ、いつも早く帰れるのか?」を発刊させて頂きました。執筆する際、最も力を入れた箇所、想いについてはこちら
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