Time is MoneyからTime as Moneyへ~その3(完結)

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前回、前々回と、時間を仮想通貨とするアイデアとそれを支える運用システムについて考えてみました。

Time is MoneyからTime as Moneyへ – このまま一生β版

 

 

 


Time is MoneyからTime as Moneyへ~その2 – このまま一生β版

三回に渡って連載した記事の最後として、このシステムがどんな場面で利用できるか具体的な例を挙げて考えてみます。

 

■仕事のマッチング
これは最初の記事で書きましたが、緊急度の高い時間と、他の人の余剰時間を交換する事で、新しい仕事のマッチングを生み出すというものです。

 

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■作業量の平準化
仕事が忙しい期間とそうでない時期。その波は人によってズレがあります。
その日、忙しい人が比較的時間の余っている人に仕事を手伝ってもらい、別の日には逆に手伝ってあげる。

システムを活用する事で、仕事のピークカットを行い作業量を平準化できれば、仕事に追われることも少なくなるでしょう。

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■ちょっとした手助けのプラットホームとして
例えば、隣の仲の良い奥さんが急用で外出する事になり、数時間だけ子供を預かって欲しいと頼まれたとします。

こんな時には、預かった時間だけポイントを交換し、後々そのポイントで自分の子供を預かって貰えればイーブンですし後腐れがありません。

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このシステムをiPhoneアプリに載せ、Bump機能でポイントの受け渡しを出来ると実用的ですし面白そうですね。

 

■家庭内でポイントの運用
先ほどのケースのように、奥さんが誰かを手伝って稼いだポイントを使い、旦那さんが自分の仕事を委託出来れば、そのポイントを現金化出来ます。

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■チャリティとして
有意義な活動に対してお金を出すことだけがチャリティではありません。
自分の余剰時間を割き、活動の手助けをすれば立派なチャリティとなります。
実際にその場に行き手助けをすることは、チャリティというよりボランティアという言葉が適切かもしれません。

実際にその場所には行けなくとも、その団体の活動を支える裏方の仕事は、ネットを通し遠隔地でも出来るでしょう。
また自分が稼いだポイントをお金の代わりに寄付し、それが有意義な活動の原資として使われるなら、そのポイントはお金と同じ価値を持ちます。

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■途上国への支援として
私がアフリカのウガンダに行った際、現地の大学を卒業している優秀な秘書を月200ドル程度で雇えました。
農村部に行くと、一日の最低賃金が3〜4ドルというのも珍しくありません。

 

このシステムの根幹となる思想は、人によって価値の事なる時間を交換する事によるサービスの提供と享受です。
実際の経済でもそうであるように、物に対する価値に差がある人、場所をつなげることで生まれる価値の差分が利益となりビジネスが産まれます。

 

ハードルは高いですが、先進国の人がシステムを通じて途上国の人に仕事をお願いし、対価として得たポイントを現地の通貨に換金出来れば、それは貴重な収入源となります。
私が滞在したウガンダでは、携帯電話を1人一台持つのは珍しくなく、インターネットの普及も驚くような早さで進んでいます。

例えば10年後。ネットの普及と合わせ個人がパソコンを自由に使えるような環境が出来れば、こんな妄想も実現可能となるのではないでしょうか。

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■まとめ
タイムダラー型地域通過の基本理念は

•双方向の助け合い
•この世の中に「役に立たない人」はいない
•善意の行動が通貨になる
•コミュニティの再構築

というものです。
この理念は素晴らしいのですが、地域通貨の最大のデメリットである「運用の範囲が地域に縛られる」事で、利用者数というスケールメリットを出せずにいるのが現状のように感じます。

 
SNSの普及により、人と人とが簡単に出会い繋がれるようになりました。それも、日本国内だけでなく言語という壁を超えさえすれば、世界中の人と繋がることが出来るのです。
(帰国後、そのウガンダの秘書から日本人と付き合いたいので、誰か紹介してほしいとFacebookのメッセージが届いた時にはどう返答しようか困りました、、)

ようやく、地域通貨がその壁を乗り越えられる時代がきました。
プラットホームとなるシステムをさえ準備出来れば直ぐに運用出来る部分もあります。
これからは、このアイデアを形にする方法、手段について新たな模索をしたいと思います。

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